「悲しい」が一般的ですが、小説などでは「哀しい」も使われる言葉です。
2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
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悲しいと哀しいの意味
「悲しい」と「哀しい」は、どちらも胸に湧く切ない気持ちを表現していますが、2つの言葉はニュアンスが異なります。
「悲しい」の「悲」は「非」と「心」から構成されており、「非」は「羽」の象形文字です。
一対の羽は左右に向けて伸びていますが、羽が互いに背を向けて開くことから、「非」は「背く」「離れる」などの意味になります。
この「非」に「心」が付くことで、人に背いたり、背かれたりする時に感じる心の痛みを表しています。
一方、「哀しい」の「哀」は「口」と「衣」から構成されており、衣で口を押えて悲しみを堪える様子や死者に同情を示す様子を表しています(衣=死者の胸元)。
心が引き裂かれるような「悲しい」に対して、「哀しい」は胸が詰まるような思いを表しています。
ちなみに、公的文書で「かなしい」と表記する時は、主に「悲しい」を使用します。